日本版DBS法の対象事業者とは?|小規模教室や習い事は含まれるのか

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日本版DBS法シリーズ第2回は、最も関心が高く、かつ最も誤解が生まれやすいテーマである

「対象事業者の範囲」

について、現時点で公開されている正式資料および「中間とりまとめ案」で示された方向性をもとに、できる限り正確に整理します。

制度の理念に共感しつつも、事業者側にとっては「うちは対象になるのか?」が最大の関心事です。この疑問に丁寧に寄り添うことこそ、行政書士として重要な役割だと感じています。

目次

対象事業者に関する“確定情報”

まず、日本版DBS法の中で 「対象事業者」という概念が存在すること自体は法律で確定しています。

しかし、

  • 具体的にどの事業類型が対象になるのか
  • 例外がどこまで認められるのか
  • 対象の判断基準の詳細

これらの 細部は未確定であり、政令・省令・ガイドラインで具体化される段階 です。

つまり、現時点で言えるのは「方向性であり、最終決定ではない」という点です。

中間とりまとめ案で示された“方向性”

現段階で最も参考になるのが、こども家庭庁が公表した「中間とりまとめ案」です。ここでは、対象事業者を考える際の大きな軸として、以下の3つが掲げられています。

① 支配性(指導・管理の有無)

子どもの行動に対し、事業者または従事者が指示・管理・監督する立場かどうか。

② 継続性(接触が継続するか)

一時的な接触ではなく、継続的に子どもと関わる構造があるかどうか。

③ 閉鎖性(外部の目が届くか)

外部から見えにくい空間での活動かどうか。クローズドな環境ほどリスクが高いとされる。

この3つの観点が 「対象になり得るか」を判断する方向性として示されている ことが、中間とりまとめ案から読み取れます。

対象となり得る具体例(“例示”として示されたもの)

ここからは、公式資料で例示されているものを正確に引用しつつ、どのような事業が該当し得るかを整理します。

こども家庭庁資料より抜粋

中間とりまとめ案の方向性では、以下のような民間教育保育等事業者が典型例として挙げられています(学校設置者等は割愛)。

  • 学習塾
  • 習い事教室(ピアノ・そろばん・絵画など)
  • スポーツクラブ・スポーツ教室
  • 英会話教室
  • 民間学童
  • 放課後サービス

これらは、

  • 子どもに対する一定の指導権限(支配性)
  • 定期的なレッスンや通室(継続性)
  • 教室・レッスン室などの閉鎖空間(閉鎖性)

が揃っているため、制度の対象に「なり得る」類型として示されています。

※重要:これは“確定した対象リスト”ではありません。あくまで 検討の方向性として示されている例示 であり、最終的な対象は政令で確定します。

対象外となる可能性が示唆されているケース

中間とりまとめ案では、逆に対象外となり得る方向性も記載されています。

例として、

  • 単発イベント(継続性がない)
  • 公園など外部の目が届く環境での活動(閉鎖性がない)
  • 保護者が常に同席する活動(閉鎖性が低い)

などは、対象外の方向に傾くと考えられます。

ただし、これも「確定した除外規定」ではなく、あくまで検討段階です。

副業・小規模教室でも対象になる可能性が高い理由

中間とりまとめ案の中で繰り返し強調されているのが、

「規模の大小は判断材料に含めない」

という点です。

つまり、

  • 自宅で開くピアノ教室
  • マンツーマンの英会話
  • 小規模な家庭学習サポート

などの“副業レベルの教室”でも、支配性・継続性・閉鎖性が揃えば対象になり得るということです。

これは、起業・副業層が最も誤解しやすい部分のため、私は特に注意して伝えていきたいと感じています。

対象事業者に関する“現時点での正確な結論”

現段階で明言できる結論は次の通りです。

対象事業者の「考え方」はすでに示されている(中間案)

支配性・継続性・閉鎖性の3軸で判断する方向性は明確です。

どの事業が対象になるかは“まだ最終確定ではない”(政令待ち)

例示されている事業は方向性にすぎず、最終的にどう定義されるかはこれから決まります。

小規模教室や副業型ビジネスでも対象になり得る(方向性として強い)

規模は基準に含まれない方針です。

行政書士としての実感

資料を重ねて読むほど、

“対象事業者の判断は、事業者が自分で判断するには難しすぎる”

という事実に気づきます。

だからこそ、行政書士としての役割は大きく、

  • 最新情報を正確に整理し
  • 誤解を防ぐ翻訳を行い
  • 個別の事業形態に当てはめて助言する

という専門的な支援が必要だと感じています。

次回は「対象従事者とは誰を指すのか?」を、確定情報と検討中情報を分けつつ丁寧に整理していきます。 アルバイト・非常勤スタッフまで含まれるのかという、現場に直結する重要テーマです。

制度の解説だけでなく、私がなぜここまで日本版DBSに情熱を注いでいるのか、その「原点」と「決意」を綴りました。ぜひ一度お読みいただければ幸いです。

日本版DBSの導入について、少しでも不安があればご相談ください。
まずは現状の整理からお手伝いします。

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