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【2025年最新版】フリーランス保護新法から1年|現場の課題と、フリーランスが今こそ見直す契約・報酬トラブル対策

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現場で感じる小さな違和感、その正体は

「納期は変わらないのに、いつの間にか作業量だけが増えていた」
「契約内容、こんな話だったっけ?」
「報酬の入金が遅れているのに、次の依頼を考えると強く言えない……」

“もやもや”を抱えながら、今日もパソコンに向かっている。
そんなフリーランスの方は少なくありません。

「信頼関係が大事だから」と自分に言い聞かせながら、
条件の変更や報酬の遅れを見過ごしてしまう——。

しかし、理不尽に我慢することと、信頼を守ることは別の話です。


目次

フリーランス保護新法は「我慢が当たり前」を変える仕組み

2024年11月1日に施行された
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(通称:フリーランス保護新法)。

これは、フリーランスと発注者の間で生じがちな不公正な取引を防ぐため、
取引ルールを明文化した法律です。
公正取引委員会・厚生労働省・中小企業庁が連携して運用を進めています。


対象者の定義

対象となるのは、

  • 従業員を使用せず、自らの技能で業務を請け負う個人
  • 代表者1名のみで従業員を雇わない法人(いわゆる一人法人)

つまり、ライター、デザイナー、動画編集者、講師、エンジニアなど、
「ひとりで働くすべての専門職」が保護の対象です。


この1年で見えてきた傾向

施行から1年、現場では次のような変化が見えてきました。

  • 契約条件を書面または電子契約で明示する運用が定着
  • 支払期日の明文化が進み、管理意識が向上
  • 電子契約サービスの導入が拡大

一方で、「形だけの対応」や制度誤解による運用ミスも散見されます。
理解不足がトラブルを生むケースは今も多いのです。


現場で見えてきた課題と誤解

① 契約書面の未交付

「メールでやり取りしているから大丈夫」という誤解は根強いですが、
本法では発注者が取引条件を書面または電磁的方法で明示する義務があります。
口頭だけの合意は法的に不十分です。

受注者側からも「契約書または条件明示のメールをお願いします」と、
丁寧に依頼する習慣を持ちましょう。


② 報酬支払の遅延・期日未設定

発注者は、納品など給付を受けた日から60日以内に設定した支払期日までに支払う義務があります。
「検収が終わってから」といった曖昧な表現はトラブルのもと。
日付を明確に定めることが重要です。


③ 修正対応・業務範囲の曖昧さ

「もう少しだけ直してほしい」が積み重なり、実質的に単価が下がる事例も。
修正回数の上限、再修正の定義、追加報酬の条件などを契約書に具体的に記載しておくことが基本です。


行政書士が見る「義務と禁止行為」の正しい整理

本法では、発注者側に6つの義務7つの禁止行為が定められています。
混同されがちなため、整理しておきましょう。

主な義務

  1. 取引条件の明示(書面または電磁的方法で速やかに)
  2. 報酬支払(受領日から60日以内に設定した支払期日までに支払)
  3. 募集情報の的確表示(虚偽・誤認表示の禁止)
  4. 就業環境配慮(育児・介護などとの両立配慮)
  5. ハラスメント防止措置(相談体制の整備)
  6. 中途解除時の予告・理由明示(継続的委託関係の場合)

禁止行為

  1. 受領拒否
  2. 報酬の減額
  3. 返品の強要
  4. 不当な買いたたき
  5. 購入・利用の強制
  6. 不当な経済上の利益提供の要請
  7. 不当な給付内容の変更・やり直しの要請

フリーランスが自分を守るための3つの習慣

① 契約書を必ず受け取り、保存する

紙・電子いずれでも構いません。
PDF化やクラウド保存で、検索・参照しやすい状態を保ちましょう。

② 報酬・納期・修正対応を文面で確認する

口頭合意のままにせず、メールやチャットで再確認
認識の齟齬を未然に防ぎます。

③ トラブル時は早めに相談する

相談窓口として、

  • 公正取引委員会(地域事務所・申出フォーム)
  • 中小企業庁
  • 都道府県労働局(雇用環境・均等部)

などが利用可能です。
また、契約書の整備や記録設計は行政書士の専門分野です。


実際の相談から学ぶ:トラブル対応のコツ

私の事務所にも、次のような相談が多く寄せられます。

「納品したのに報酬の入金が確認できない」
「途中で業務内容が変わったのに、条件の見直しがない」

まず行うのは、契約書・メール・チャット履歴の整理です。
「いつ・誰が・何を合意したのか」を可視化することで、
立場と打つ手が明確になります。

実際、支払期日を確認し、丁寧に一次連絡を行うだけで
速やかに対応いただけた例もあります。

解決のカギは、強い言葉ではなく“冷静な記録と段取り”にあります。


まとめ:法令遵守は“信頼される働き方”の条件に

フリーランス保護新法は「罰するため」の法律ではなく、
安心して働くための共通ルールです。

発注者・受注者の双方がルールを理解し、
契約を透明にすることで、より良い関係が築けます。

知っている人が損をしないように。
そして、知っている人が選ばれる時代へ。
知識は、あなたを守る最強の味方です。


  • 契約内容を見直したい
  • 渡された契約書の法的リスクを確認したい
  • 報酬トラブルの予防策を整えたい

そう感じたら、一度ご相談ください。
あなたの働き方に合った契約とリスク対策を、一緒に整えていきましょう。

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