日本版DBS法の対象従事者とは誰のこと?|アルバイト・外部講師は含まれるのか

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日本版DBS法シリーズの制度理解の中でも特に誤解が多いテーマ、

「対象従事者とは誰を指すのか?」

について整理します。

対象事業者よりも、さらに現場の実務に直結しやすい領域であり、同時に制度上の“検討中部分”が多いため、今日は 確定していること/まだ検討中のこと を明確に分けながら進めてまいります。

目次

対象従事者の考え方(ここは法律で“確定”している)

まず前提として、DBS法の枠組みでは、対象従事者とは次のように定義されます。

子どもと接する事業に従事する者のうち、一定の犯罪に関する事実の有無を確認すべき者

つまり、

  • 子どもと実際に接する従業者
  • 子どもに指示・管理を行う立場の者
  • 子どもの活動空間に立ち入る者

が対象となります。

ここまでの基本構造は すでに確定しています。

ただし、どこまでを“接する”とみなすのか、どの職種まで含めるのか、この境界線は現在も議論が続いています。

中間とりまとめ案で示された方向性(ここは“検討中”)

現時点で最も詳細に議論が示されているのは、中間とりまとめ案です。

こども家庭庁資料からの抜粋

ここでは、対象従事者を考える際の軸として、次のような方向性が示唆されています。

子どもと直接接触する者

  • 学習塾講師
  • 習い事の指導者
  • スポーツコーチ
  • 学童スタッフ

これらは“直接指導・直接接触”があるため、対象になる方向性が強い領域とされています。

子どもと接触しない補助スタッフは“対象外”の方向

  • 清掃スタッフ
  • 事務スタッフ
  • 受付のみを担当するスタッフ

ただし、実際に子どもの活動空間へ立ち入るかどうかで判断が分かれる可能性があります。
こちらは 確定ではなく、検討中の論点 です。

アルバイト・非常勤も含む方向性

雇用形態は判断基準としない方向性が中間案で示されています。

つまり、

  • 正社員
  • パート
  • アルバイト
  • 業務委託

いずれも 子どもと接触するなら対象となり得る という考え方です。

これは現場の運用に大きな影響を与えるため、今後の政令・ガイドラインで明確化される部分です。

対象従事者を判定する際のポイント(現時点での“方向性”)

中間案から読み取れる、対象従事者の判定で重要となる視点をまとめると次の3点です。

子どもとの「接触の有無」

最も強い判断基準。

直接的な接触があれば対象、
接触がなければ対象外の方向に傾きます。

子どもへの「指導・管理の有無」(支配性)

単にその場にいるだけでなく、

  • 指導をする
  • 行動を管理する
  • 見守る役割を担う

こうした場合は対象となる方向性が強くなります。

子どもの活動空間に「立ち入るかどうか」(閉鎖性)

たとえ接触がなくても、活動空間に立ち入る者は例外的に対象になる可能性があります。

例:

  • 個室レッスン室に入る補助スタッフ
  • 子どもの待機スペースに立ち入る運営補助スタッフ

ここも今後の議論で線引きが明確になる部分でしょう。

事業者が特に注意したいポイント

現時点で私が特に重要だと感じているのは、次の2つです。

アルバイト・単発スタッフも対象になり得る

雇用形態に関係なく、実際の活動内容で判断されます。
そのため、小規模教室や副業レベルの事業でも、

  • イベント講師
  • 補助スタッフ
  • 外部講師

など、短時間だけ関わる人も対象になり得る可能性があります。

事前説明と同意取得が必須になる(負担が大きい)

対象従事者と判断した場合、

「犯罪事実確認のため、あなたの情報を行政に照会します」

と本人に説明し、書面同意を得る必要があります。
これは、事業者にとっては心理的・実務的に最もハードな部分です。
従業者との関係性に影響するリスクもあり、事業者が最も負担に感じるポイントだと実感します。

現時点で得られる結論

まとめると、次が現段階で正確に言える範囲です。

対象従事者という概念自体は法律で確定

判断基準として「子どもと接する従事者」が基本。

個別職種が対象になるかは未確定(政令待ち)

中間とりまとめ案に示されているのは“方向性”であり、確定リストではありません。

雇用形態にかかわらず、接触があれば対象になり得る方向性

小規模・短時間・イベント講師でも該当の可能性あり。

行政書士としての視点

対象従事者の判断は、事業者が自分だけで判断するには難しすぎる領域です。

私自身、資料を読み込みながら、

  • 接触の定義
  • 補助スタッフの扱い
  • 立ち入りの範囲

などの論点が複雑で、“誰かが翻訳しなければ事業者は理解できない” と強く感じています。
制度の理念を守りつつ、現場が混乱しないための整理と支援こそ、行政書士として果たすべき役割なのだと改めて実感しています。

次回は、制度の中核である「犯罪事実確認の仕組み」を、事業者側の負担と運用の観点から整理します。
特に、本人同意の取得や情報管理の負担について丁寧に解説します。

制度の解説だけでなく、私がなぜここまで日本版DBSに情熱を注いでいるのか、その「原点」と「決意」を綴りました。ぜひ一度お読みいただければ幸いです。

日本版DBSの導入について、少しでも不安があればご相談ください。
まずは現状の整理からお手伝いします。

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