【日本版DBS】学習塾・習い事は認定対象?「民間教育事業」4つの必須要件を徹底解説

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令和8年12月25日に施行が予定されている「こども性暴力防止法(日本版DBS)」は、学習塾、スポーツクラブ、放課後児童クラブなどの民間教育保育等事業者の皆様にとって、事業の根幹に関わる最重要課題です。この制度において、国の「認定」を取得し、保護者からの揺るぎない信頼を確保するためには、法が定める厳格な安全確保措置と情報管理措置の体制整備が不可欠となります。

そうした中で、ここども家庭庁の検討会より公表された「中間とりまとめ」は、法施行に向けた実務的な準備の羅針盤となるものです。この文書には、私たちが直面する「対象事業の範囲」「認定基準」「犯罪事実確認の期限」「防止措置の内容」など、具体的な法令運用を決定づける多岐にわたる核心的な論点(検討課題)が詳細に示されています。


2026年12月25日の施行に向けて注目が集まる「日本版DBS」。
ニュースでは「学習塾やスポーツクラブも対象」と報じられていますが、実はすべての民間スクールが無条件で認定を受けられるわけではありません。

「個人でピアノ教室をやっているけれど、対象になる?」
「夏休みだけの短期キャンプは?」
「オンライン専門の家庭教師は?」

認定を受ける(=認定マークを取得する)ためには、法律で定められた「4つの必須要件」をすべて満たす必要があります
今回は、行政書士の視点から、この認定のハードルとなる「民間教育事業」の定義について徹底解説します。

目次

そもそも「民間教育事業」とは?

日本版DBSにおいて、学習塾やスイミングスクール、音楽教室などは「民間教育事業」という枠組みに分類されます 。学校や認可保育所とは異なり、これらの事業者が制度を利用(性犯罪歴の確認)するためには、国に対して「認定申請」を行い、「この教室は制度を運用できる体制が整っている」と認められる必要があります

その認定の入り口となるのが、以下の4つの要件です。

認定を受けるための「4つの必須要件」

法律およびこども家庭庁の指針案では、以下の①~④をすべて満たす事業が対象とされています

① 期間要件:標準的な修業期間が「6か月以上」であること

単発のイベントは対象外です。
「6か月以上」の期間にわたって事業が実施され、同じ子どもが複数回参加できる仕組みである必要があります 。

  • 〇 対象になる例:
    • 毎週通う学習塾やスポーツクラブ。
    • 年4回(春・夏・秋・冬)開催されるキャンプで、継続的なプログラムとなっているもの 。
  • × 対象にならない例:
    • 夏休みに1回だけ開催される単発のサイエンスショー。
    • 全3回の短期集中講座(期間が1か月程度で終わるもの)。

② 対面要件:子どもに対して「対面」で指導すること

日本版DBSは、子どもと大人が「密室」や「物理的な接触」が生じる場での性暴力を防ぐことを主眼としています。そのため、物理的な接触の恐れがないオンライン指導は対象外となります

  • 〇 対象になる例: 教室に通う形式の英会話スクール。
  • × 対象にならない例: ZoomやSkypeのみで完結するオンライン家庭教師。

③ 場所要件:事業者が「用意した場所」で行うこと

指導場所が、事業者の管理下にあるかどうかが問われます。
ここでの重要ポイントは、「子どもの自宅(家庭教師等)」は原則対象外となる点です 。
自宅は保護者の管理下にある空間とみなされるためです。

  • 〇 対象になる例:
    • 自社ビルやテナントの教室。
    • 公民館の会議室やレンタルスタジオ(事業者が借りて開催する場合) 。
  • × 対象にならない例:
    • 生徒の自宅を訪問するピアノレッスンや家庭教師 。
    • (※ただし、家庭教師事業者がシェアオフィスや教室を用意してそこで教える場合は対象になり得ます)

④ 人数要件:指導者が「3人以上」であること(予定)

ここが個人事業主にとって最大の壁となる可能性があります
法律では「政令で定める人数以上」とされており、現時点の政府案では「3人以上」となる見込みです

  • 〇 対象になる例:
    • 塾長1名と、アルバイト講師2名が在籍している学習塾。
    • (※雇用形態は問わず、ボランティアや派遣も含めて実態で判断される予定です )
  • × 対象にならない例:
    • 経営者がたった1人で教えている個人のピアノ教室。

「うちは対象?」迷ったら専門家へ

「3人ギリギリだけど、事務スタッフはカウントされる?」
「場所は毎回変わるけど大丈夫?」

実際の現場では、このように判断に迷うケースが多々あります。
また、認定申請を行う際には、これらの要件を満たしていることを証明するために、「事業の概要が分かる資料(カリキュラムやパンフレット)」や「場所・体制図」等の書類を添付し、論理的に説明しなければなりません 。

私たち行政書士は、以下のサポートで貴社の認定取得をバックアップします。

  • 認定取得の可能性診断: 貴社の事業形態が法律の要件に合致しているか、最新の法令に基づき診断します。
  • 証明資料の作成: 要件を満たすことを証明するための、説得力のある申請書類(事業計画書や体制図等)を作成します。
  • 体制整備のアドバイス: 「あと少しで要件を満たせる」という場合、どのような体制変更(例:スタッフの増員や場所の確保)を行えば認定対象となるか、現実的なアドバイスを行います。

結論:早めの診断が「認定マーク」への近道

2026年12月の施行直前になって「実は対象外だった!」「書類が足りない!」と慌てないために、今のうちから自社の事業が「民間教育事業」の定義に当てはまるか確認だけはしておきましょう。

当事務所では、「日本版DBS 認定要件の無料簡易診断」を実施しています。
「認定マークを取得して、選ばれる教室になりたい」とお考えの経営者様、まずはお気軽にご相談ください。

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