【ゼロからわかる日本版DBS #13】認定後の「公表」と「認定事業者マーク表示」のルール|その使い方はOK?意外な「盲点」と「あるある」

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前回(第12回)は、認定申請の具体的な手順について解説しました。
法施行日(2026/12/25)前ですので、まだ認定申請はできませんが、無事に審査を通過し、晴れて「認定」の通知が届いたという前提で話を進めてまいります。

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認定証を額縁に入れて飾るだけでは、経営的なメリットは生まれませんね。
日本版DBS制度には、認定を受けた事業者が「私たちはこどもの安全を守る体制を整えています」と社会にアピールするための仕組みとして、国による「公表」と、自社での「表示(マークの使用)」という2つの特権が用意されています

今回は、認定事業者が得られる「信頼の証」の使い方について解説します。

ただし、ここには意外な「盲点」や、やってしまいがちな「NGあるある」が潜んでいます。
知らず知らずのうちに法律違反にならないよう、しっかりと確認していきましょう。

目次

国のサイトで「ホワイトリスト」として公表されます

認定を受けると、こども家庭庁のウェブサイト上で「認定事業者」の一覧(リスト)が公表されます。これは、保護者が習い事を選ぶ際の「安全な教室リスト(ホワイトリスト)」として機能することになります

公表される情報

具体的には、以下の情報が誰でも見られる状態で掲載されます。

  • 事業者の基本情報:氏名又は名称、住所、代表者名(法人の場合)
  • 事業の概要:どのような事業か(学習塾、スイミングスクール等)、事業の区分
  • 事業所の情報:実際に教室がある場所の名称と所在地
  • 業務の概要:対象となるスタッフ(講師、コーチ等)がどのような業務を行っているか
  • 認定年月日:いつ認定を受けたか

【盲点①】「現職者の確認が完了しているかどうか」についても公表される

ここで一つ目の盲点です。認定を受けた直後のリストには、まだ「ある重要な情報」が載っていません。それは、「認定時に在籍していたスタッフ全員の犯歴確認が終わったかどうか」についてです。

法律上、認定を受けた時点から1年以内に、既存スタッフ全員の犯歴確認を行う必要があります。そのため、認定直後は「体制は整ったが、全員のチェックはまだ」という状態です。

全員の確認を終え、国に届け出ることで初めて、リスト上に「確認完了」の旨が表示されます
保護者から見れば、「この教室は昔からいるベテラン先生も含めて全員チェック済みなんだ」という強力な安心材料になりますので、1年と言わず、早期の完了を目指しましょう。

「こまもろうマーク」で信頼を可視化する

認定事業者が自ら使える最強のツールが、「認定事業者マーク(愛称:こまもろうマーク)」です。

このマークは、こどもをしっかり見て守る「フクロウ」をモチーフにしており、民間事業者の認定マークは「空色(ブルー)」のデザインになります。
※学校や保育所などの「義務対象事業者」は「もも色(ピンク)」です。

どこに使っていい?

ガイドライン(施行規則)では、以下の媒体に表示できるとされています。

  1. 事業所の施設:教室の入り口、受付、看板、のぼり旗など
  2. 広告・宣伝:パンフレット、チラシ、ポスター、ウェブ広告など
  3. ウェブサイト:ホームページ、SNS、予約サイトなど
  4. 物品:ユニフォーム(制服)など
  5. 書類・通信:契約書、名刺、封筒、メールの署名など
  6. 求人募集:求人サイト、求人票、採用パンフレットなど

【活用術】求人票への掲載は「最大の防御策」

特に「求人募集」での表示は経営戦略上、極めて重要だと考えられます。

「ウチは性犯罪歴のチェックをしっかり行いますよ」と最初からマークで明示することで、性加害目的でこどもに近づこうとする人物を、応募の段階でフィルタリング(忌避)する効果が期待できるからです。これは採用コストの無駄を省くことにもつながります。

【NGあるある】やってはいけない「3つの間違い」

マークが使えることは大きなメリットですが、使い方を間違えると厳しい罰則(1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)の対象になりかねません

ここでは、よくある間違い(NG事例)を3つ紹介します。

NG①:「会社案内」の表紙にドーンと載せる(事業単位の罠)

株式会社Aは、「学習塾部門(認定取得済)」と「ピアノ教室部門(未取得)」を運営しています。両部門の紹介をしている会社案内のパンフレットの表紙に、こまもろうマークを載せてもいいですか?

NGです(誤認を与えるため)。

この点は盲点となりがちです。日本版DBSの認定は「会社ごと」ではなく「事業ごと」に行われます。会社案内の表紙 or トップページに大きくマークを掲げると、認定を受けていない「ピアノ教室」まで認定されているかのように消費者が誤認してしまいます

「学習塾事業」の紹介ページにのみ掲載など、閲覧者に誤解を与えないような配慮が不可欠です。

(虚偽表示罪及び情報漏示等罪)
第四十五条 第二十三条第二項の規定に違反して、同条第一項の表示又はこれと紛らわしい表示を付したときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

NG②:生徒に配る「特製ボールペン」に印刷する(回収困難の罠)

販促用に、マーク入りのボールペンやクリアファイルを作って配ってもいいですか?

NGです。

ガイドラインには、「認定の取消し等があった場合は速やかにマークを付した物の撤去、回収を行うことが必要」とあります。一度配ってしまったボールペンやクリアファイルは、万が一認定が取り消された時に「回収」することが事実上不可能です。

そのため、こうした「第三者に渡り、回収困難な物品」への表示は認められていません。(※契約書や名刺は、連絡先が分かるため許容されています)

NG③:辞めたスタッフの名刺をそのまま使う

名刺にマークを入れてもいいですか?

OKですが、管理が必要です。

認定事業に従事するスタッフの名刺にマークを入れることは可能です。ただし、そのスタッフが「認定対象外の部署」に異動したり、退職したりした場合は、その名刺を使わせてはいけません。名刺管理アプリのデータ更新や、物理的な廃棄・回収を徹底する義務が生じます。

まとめ:マークは「安全の約束」

「こまもろうマーク」は、「私たちは、法律に基づき、厳しい基準でこどもを守る体制を作っています」という、保護者に対する重い約束の証です。

認定を取得した後は、堂々とこのマークを掲げ、「選ばれる教室」としてのブランディングに活用してください。ただし、その裏側では「対象事業の区別」や「名刺の管理」といった細かい運用ルールを守り続ける必要があります。

次回は、少し複雑なケースである「フランチャイズ」や「業務委託」の場合の申請・運用ルールについて解説します。「本部は認定を取ったけど、加盟店はどうなるの?」といった疑問にお答えします。

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「会社パンフレットのここにマークを入れていいの?」「HPのこの表現は法律違反にならない?」

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