全20回にわたり解説してきた「日本版DBS」シリーズも、今回がいよいよ最終回です。
これまでの連載で、制度の全体像から申請準備、採用時の確認フロー、そして万が一の対応まで、実務の一連の流れを網羅してきたつもりです。
認定取得が、ゴールではありません。
むしろ、そこからが「こどもの安全を守り続ける」という、終わりのない運営のスタートです。
今回は、認定事業者が継続して行うべき「5年ごとの再確認」や「定期報告」といった定例業務について解説し、最後に本制度への対応を「選ばれる教室」になるための投資と捉える視点をお伝えして締めくくりたいと思います。
一度確認したら終わりじゃない!「5年ルール」
スタッフの犯歴確認について、「採用時に一度やればOK」だと思っていませんか?
実は、日本版DBSには有効期限のようなルールが存在します。
「5年ごと」の再確認が義務
こども性暴力防止法では、一度確認を行ったスタッフについても、「確認日の翌日から起算して5年を経過する日の属する年度の末日」を超えて引き続き働いてもらう場合には、改めて犯罪事実確認を行わなければならないと定められています。
つまり、長く働いてくれているベテランの先生であっても、5年サイクルでの再チェックが必須なのです。これは、前回の確認以降に新たな性犯罪歴が発生していないかを確認するためです。
忘れるとどうなる?
この再確認を怠ったまま業務に従事させ続けてしまうと、「確認義務違反」となり、認定取り消しや公表の対象になり得ます。
スタッフ一人ひとりの「次回の確認期限」を管理するのは大変ですが、こども家庭庁のシステム(こども性暴力防止法関連システム)上で管理していれば、期限が近づくと通知が来るなどのサポート機能が付くことが想定されています。
年に1回の通信簿「定期報告」
認定事業者には、もう一つ重要な定期業務があります。
それが、国(こども家庭庁)に対する「定期報告」です。
何を報告するの?
年に1回、以下の実施状況を報告します。
- 犯罪事実確認の実施状況:対象者数、確認実施数、特定性犯罪事実該当者(犯歴あり)の数など
- 安全確保措置の実施状況:面談・アンケートの実施頻度、相談窓口の周知状況、研修の実施状況など
- 情報管理措置の実施状況:アクセス権限の管理状況、セキュリティ対策など

負担は重い?
「毎年そんな細かい報告書を作るのは大変だ」と思われるかもしれません。
しかし、ご安心ください。日々の業務(申請や確認結果の受領など)を国のシステム上で行っていれば、報告に必要なデータの多くはシステムが自動で集計・生成してくれる仕組みになると想定されます。
事業者は、システム上で自動生成された内容を確認し、面談実施の有無などいくつかの項目をチェックするだけで済むよう設計される予定です。
「安全」をコストと見るか、投資と見るか
日本版DBSへの対応は、確かに手間もコストもかかります。
申請手数料、システム利用の手間、規程の作成、研修の実施……。
これらを単なる「コスト(負担)」と捉えると、気が重くなるのも致し方ありません。
しかし、視点を変えてみてください。
これは、「こどもたちが安心して過ごせる環境」と「保護者からの信頼」を手に入れるための「投資」なのではないでしょうか。
選ばれる教室であり続けるために
少子化が進む中、保護者の目は年々厳しくなっています。
「学力が伸びる」「技術が身につく」ことはもちろん重要ですが、それ以前の「安全・安心」という土台が揺らいでいては、選択肢にすら入れてもらえません。
「当教室は、国の認定を受けた『日本版DBS認定事業者』です」
「こどもに関わるスタッフ全員の無犯罪証明を確認し、厳しい基準で安全管理を行っています」
胸を張ってそう言えることは、これからの時代、何よりのブランディングになります。
「こまもろうマーク」は、その信頼の証です。
最後に
2026年12月25日の制度開始まで、まだ時間はあります。
しかし、「まだいいや」と思っていると、規程作成や認定申請の準備で慌てることになります。
実際に認定申請するかどうかの結論は先送りしたとしても、申請することになっても慌てないように、今のうちから少しずつ「安全確保措置(面談や研修)」の試行を始めたり、就業規則の見直しを進めたりすることを、専門家としては強くお勧めしています。
こどもの笑顔を守るために、そして貴社の教室が地域で愛され続けるために。
日本版DBSの導入を、ぜひ前向きに進めていただければ幸いです。
【無料診断】日本版DBS導入のパートナーとして
「ウチの教室の場合、何から始めればいい?」
「申請書類の作成を代行してほしい」
当事務所では、民間教育事業者に特化した日本版DBS認定取得支援を行っております。
煩雑な手続きは専門家に任せ、先生方はぜひ、目の前のこどもたちへの教育に専念してください。まずはお気軽な無料診断からどうぞ。
※本連載におけるシステム操作や申請手続の詳細については、現時点でのガイドライン等に基づいております。詳しくは2026年4月に公表が予定されている、こども性暴力防止法関連システムマニュアルを参照してください。
